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「モンスター」

monster1.JPG

公開中の映画「モンスター」を観てきた。

[story]
1986年のフロリダ。
不幸な子供時代を過ごし、13歳から娼婦として生きてきたアイリーン(シャーリーズ・セロン)は自殺を考えていた。
「最後に残った5ドル、この5ドルを使い切ったら死のう」と飛び込んだバーで一人の女性と知り合う。
そのセルビー(クリスティーナ・リッチ)との出会いこそが、後にモンスターと呼ばれる連続殺人を犯すことになる運命の出会いだとは知る由もなかった。

女優に憧れ、いつか自分を見出してくれる人と出会うという夢を持ち続けていたアイリーン。
しかし娼婦としてしか生きることができず、人に愛される喜びも知らず、蔑まれ続けてきた人生で、初めて自分を必要とし、認めてくれた相手が、レズビアンの治療のために父親の友人宅に預けられていたセルビーだった。

まもなく実家に戻る事になっているセルビーに、一緒に住もうと言うアイリーン。
二人で逃げるために必要なお金を稼ごうと、待ち合わせた当日客をとったアイリーンは、深い森の中に連れ込まれ、
サディスティックな行為のエスカレートに死の恐怖を味わう。
必死で抵抗するうちに手首の縄が解け、その自由になった手で拳銃を掴んで相手を殺してしまう。
待ち合わせた時間にやってこないアイリーンに裏切られた思いで眠れぬ夜を過ごすセルビーの元にアイリーンがやってきたのは明け方近く。
そして、殺人を犯したことは告げないまま、「一週間だけ一緒にいてくれ」と、パジャマ姿のセルビーを殺した相手の車に乗せて、二人の逃亡生活が始まった。

公式サイトのstoryには、映画のほぼ全ての内容が書かれているので、知りたい方はそちらをチェックするもよし、映画を観る前に全部は知りたくない方は観てからご覧になるも良し。

実在の人物(アイリーンは12年間の服役の末2002年に死刑執行、セルビーは現在も生存中)の実話を基にした映画なので、この衝撃的な内容はこれまでに放映されたTVや文字媒体等で御存知の方も多いかもしれない。
あたしもその一人であったのだが、今回の映画を観て初めて、アイリーンの生の感情に触れたような気がしている。

もちろん殺人はいけないこと。
しかし、家族に暴力とレイプを受け続けた少女期から始まり、彼女がそれを繰り返すに至る過程には、彼女にとっては必然ともいえる理由があったのではないだろうか。
だからといって殺人が容認されるわけではないのだが。

アイリーンの「あたしが面倒を見る!帰りのバスのチケットも買ってあげる!」という言葉を信じてパジャマのまま車に乗ったセルビー。
アイリーンの語る「海の側に住もう。部屋を借りよう。必要なお金はあたしが稼ぐ」という言葉を、夢物語とは思わずに、現実に実現可能だと思っていたのだろうか?
生活費に事欠いたとき、「面倒みてくれるっていったじゃない!なんで娼婦やめちゃったのよ!」と詰め寄るのだが、セルビーが居候していた家の主婦が言った「ニガー」という言葉を否定したように、人種差別や職業差別をしないセルビーだからこそ結びついた二人ではあるものの、娼婦を続けることによるリスクのためにその職を捨てて堅気になろうとしたアイリーンの気持ちを理解しようという姿勢は感じられない。
件の主婦や父親から、「お前はその娼婦に利用されているだけだ」と言われるのだが、見た目に利用されているのは、アイリーンのほうに他ならない。
「悪意のない依存」それがまさにセルビーの愛の形。
アイリーンはようやく見つけた自分を理解し愛してくれると信じたセルビーの、その「悪意のない依存」に応えるため、命がけの娼婦をし、命がけの殺人を繰り返し、自分の罪の意識を騙し続けるのだ。
「モンスター」なのは、むしろセルビーなのかもしれないとさえ思える。

片やアイリーンは、信じた相手の望みも裏切りも全て受け入れ、その相手を守るために命がけで生き、自分で自分を許せないと叫びたくなるような罪をも犯し、相手の非と言えるものまでをも被る。
求めるのは自分への「愛」のみ、与えるのは「持てる全て」。

題名からオカルトやホラーを想像して観に来る人もいるかもしれないが、この映画はある意味究極の恋愛映画。
13kg体重を増やし、歯や肌までメイクを施したというシャーリーズ・セロンは、決して美しくないし、スタイルもよくない。
同じ娼婦役でも、プリティーウーマンの御伽噺とは正に真逆。

しかし、存在感のある鬼気迫る演技は、確かにオスカーを取ったというのも頷ける。
涙を流して感動していた観客も見受けられた。
そういう意味では「感動の大作」と言えるのだろう。。。。けど。

観てる途中から気分が悪くなり、観終わった後も胸のむかむかが取れず、頭から振り払うのにかなりの時間を要した。
その理由は別にスプラッタな場面があるとかそういうことではなく、主人公二人の思考や性格など、なんというか、精神世界のようなものの毒気に当てられたせいなのだが。

久しぶりに苦手な映画を観てしまった・・・^^;

(よりプライベートな感想はこちら

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Comments

TBありがとうございました。
本当に、真のモンスターはセルビーかも知れませんね・・・

Posted by: Ray | October 15, 2004 at 06:38 PM

こんにちは。
セルビーの「なんで娼婦やめちゃったのよ」は酷いですよね。
わたしもモンスターはセルビーの方じゃないかと思いました。

Posted by: よしづきみや | October 22, 2004 at 08:34 PM

Rayさん、よしづきみやさん。
コメントどうもありがとうございます。
「モンスター」はアイリーンなのか、セルビーなのか、アイリーンを買う男たちなのか、それとも社会そのものなのか・・・。
もしかしたら自分の中にも「モンスター」を飼っているのかもしれないとも思えてきました。
だから怖いのかも^^;

Posted by: Shion | October 23, 2004 at 12:32 AM

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